【H30測量士試験過去問題解説 第1回】午前No.1-2

測量士試験の過去問題を解くシリーズ、H30年度試験版の第1回です。



次回受験予定者のTが、前任者を引き継ぎます。
至らない事も多いと思いますが宜しくお願い致します。


[H30-午前No.1 問題]
次のa~eの文は,測量法(昭和 24 年法律第 188 号)に規定された事項について述べたものであ る。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。 

a.「測量作業機関」とは,測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。   
b.「測量標」とは,永久標識,一時標識及び航路標識をいう。
c.測量業を営もうとする者は,測量業者としての登録を受けなければならない。登録の有効期間は5年で,有効期間の満了後も引き続き測量業を営もうとする者は,更新の登録を受けなければならない。   
d.測量士又は測量士補となる資格を有する者は,測量士又は測量士補になろうとする場合においては,国土地理院の長に対してその資格を証する書類を添えて,測量士名簿又は測量士補名簿に登録の申請をしなければならない。
e.「公共測量」とは,基本測量以外の測量で,実施に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担し,又は補助して実施する測量をいい,広域的測量又は大縮尺図の調製を除く。   

1.  a,d
2.  a,e   
3.  b,c
4.  b,e
5.  c,d

正答は、4です。bとeが間違っています。

以下の解説では、問題文にあるように測量法(国土地理院ウェブサイト)を引用して詳細を確認していきます。

a.「測量作業機関」とは,測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。
→正しい。
該当するのは法第八条です。

(測量作業機関)
第八条 この法律において「測量作業機関」とは、測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。


b.「測量標」とは,永久標識,一時標識及び航路標識をいう。
→間違いです。
該当するのは法第十条です。bの文中の「航路標識」は「仮設標識」であるべきです。

第十条 この法律において「測量標」とは、永久標識、一時標識及び仮設標識をいい、これらは、左の各号に掲げる通りとする。


c.測量業を営もうとする者は,測量業者としての登録を受けなければならない。登録の有効期間は5年で,有効期間の満了後も引き続き測量業を営もうとする者は,更新の登録を受けなければならない。
→正しい。
該当するのは法第五十五条です。

第五十五条 測量業を営もうとする者は、この法律の定めるところにより、測量業者としての登録を受けなければならない。
2 前項の登録の有効期間は、五年とする。
3 第一項の登録の有効期間の満了後引き続き測量業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。


d.測量士又は測量士補となる資格を有する者は,測量士又は測量士補になろうとする場合においては,国土地理院の長に対してその資格を証する書類を添えて,測量士名簿又は測量士補名簿に登録 の申請をしなければならない。
→正しい。
該当するのは法第四十九条です。

第四十九条 次条又は第五十一条の規定により測量士又は測量士補となる資格を有する者は、測量士又は測量士補になろうとする場合においては、国土地理院の長に対してその資格を証する書類を添えて、測量士名簿又は測量士補名簿に登録の申請をしなければならない。


e.「公共測量」とは,基本測量以外の測量で,実施に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担し,又は補助して実施する測量をいい,広域的測量又は大縮尺図の調製を除く。
→間違いです。
eの、「広域的測量又は大縮尺図の調製を除く」を第五条から読み取れません。第五条には、「建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く」と書いているだけです。

第五条 この法律において「公共測量」とは、基本測量以外の測量で次に掲げるものをいい、建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。
一 その実施に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担し、又は補助して実施する測量
二 基本測量又は前号の測量の測量成果を使用して次に掲げる事業のために実施する測量で国土交通大臣が指定するもの
イ 行政庁の許可、認可その他の処分を受けて行われる事業
ロ その実施に要する費用の全部又は一部について国又は公共団体の負担又は補助、貸付けその他の助成を受けて行われる事業
(基本測量及び公共測量以外の測量)


No.1の解説は、以上です。

以下から、No.2の解説になります。

[H30-午前No.2 問題] 
次の文は,国際地球基準座標系(International Terrestrial Reference Frame)(以下「ITRF」という。)などについて述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。   
1.ITRF は,GNSS などの宇宙測地技術を用いた国際協力による観測に基づき構築・維持されている。 
2.ITRF は,地球の重心を原点とした三次元直交座標系である。
3.ITRF の X 軸は東経 90 度の子午線と赤道の交点を通る直線,Y 軸は経度 0 度の子午線と赤道の交 点を通る直線である。   
4.ITRF で表す日本列島の位置の X,Y,Z の符号は,X は-,Y は+,Z は+である。   
5.日本では,地球の形に近い回転楕円体の準拠楕円体として,GRS80 楕円体を採用している。

正答は、3です。

以下の解説では、国土地理院ウェブサイト内に記載されている内容を引用しています。

1.ITRF は,GNSS などの宇宙測地技術を用いた国際協力による観測に基づき構築・維持されてる。
→正しい。
「国土地理院ウェブサイト GNSSとは」(から引用)

GNSSとは
GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)は、米国のGPS、日本の準天頂衛星(QZSS)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileo等の衛星測位システムの総称です。

「国土地理院ウェブサイト 世界測地系移行に関する質問集(Q&A)(問1-8)世界測地系としてITRF系を選んだ理由は何か。」(から引用)

「(答)以下の理由によります。(1) 日本を含む国際協力で構築されている。我が国は、VLBI、GPS等の国際共同観測を通して、ITRF系の構築に貢献しています。(略)」


2.ITRF は,地球の重心を原点とした三次元直交座標系である。
→正しい。
「国土地理院ウェブサイト 世界測地系移行に関する質問集(Q&A)(問1-7)ITRF系とは何か。」(から引用)

「(答)ITRF系(International Terrestrial Reference Frame:国際地球基準座標系)とは、IERS(国際地球回転観測事業)という国際的な学術機関が構築している3次元直交座標系です。この座標系では、地球の重心に原点を置き、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、Z軸を北極の方向にとって、空間上の位置をX、Y、Zの数字の組で表現します。」


3.ITRF の X 軸は東経 90 度の子午線と赤道の交点を通る直線,Y 軸は経度 0 度の子午線と赤道の交 点を通る直線である。
→間違いです。
X軸はグリニッジ子午線、すなわち、東経 0 度の子午線と赤道の交点を通る直線,Y 軸は東経 90 度の子午線と赤道の交点を通る直線です。
「国土地理院ウェブサイト 世界測地系移行に関する質問集(Q&A)(問1-7)ITRF系とは何か。」(から引用)

「(答)ITRF系(International Terrestrial Reference Frame:国際地球基準座標系)とは、IERS(国際地球回転観測事業)という国際的な学術機関が構築している3次元直交座標系です。この座標系では、地球の重心に原点を置き、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、Z軸を北極の方向にとって、空間上の位置をX、Y、Zの数字の組で表現します。


4.ITRF で表す日本列島の位置の X,Y,Z の符号は,X は-,Y は+,Z は+である。
→正しい。
日本列島は東経135度周辺に位置しますので、東経90度以上180度未満はXはー、Yは+となります。また、北半球に位置しますので、Zは+になります。
「国土地理院ウェブサイト 世界測地系移行に関する質問集(Q&A)(問1-7)ITRF系とは何か。」(から引用)

「(答)ITRF系(International Terrestrial Reference Frame:国際地球基準座標系)とは、IERS(国際地球回転観測事業)という国際的な学術機関が構築している3次元直交座標系です。この座標系では、地球の重心に原点を置き、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、Z軸を北極の方向にとって、空間上の位置をX、Y、Zの数字の組で表現します。


5.日本では,地球の形に近い回転楕円体の準拠楕円体として,GRS80 楕円体を採用している。
→正しい。
「国土地理院ウェブサイト 日本の測地系」(から引用)

「日本測地系と世界測地系 2001年以前の測地基準点成果は、緯度・経度においては日本測地系に基づいた数値で準拠楕円体はベッセル楕円体でしたが、現在の測地測量成果は世界測地系(測地成果2011)と呼び、準拠楕円体はITRF座標系GRS80楕円体です。


No.2の解説は、以上です。


[平成30年7月豪雨明けの北山公園にて]

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