さて、前回は、画像(主にオルソ補正を行った航空写真)が地図上のどの範囲に対応するかをあらわす「ワールドファイル」と呼ばれるファイルについて解説しました。これはいつでも不便なく使えるというわけではないのですが、どんな場合に不都合が生じるのでしょうか。
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このワールドファイル、一言で言えば画像を地表に対応づけるためのアフィンパラメーターです(実用上はほぼ100%ヘルマート変換)。
あらかじめオルソ補正が行われている航空写真の場合は問題ないのですが、例えば航空機に積んだカメラ(エリアセンサ)で撮影した航空写真を簡易的に地図上に表示しようと思うと困ったことになります。
このときに必要な対応づけは、透視投影変換と呼ばれる
ここから…
こう持ってくる変換なのです(※1)。アフィン変換では無理…。さてこの変換、どんな情報があればこなせるのでしょう。
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先程の2枚の画像、上の画像(仮に幅w,高さh)を地図にあわせて張り付けると下の状態になるとしましょう。例によって、画像を地図に張り付けるときに画像がゴムのように伸びてくれると考えると、
- 画像左上(画像座標(0,0)) ⇔ 地理座標(123.45, 234.56)
- 画像右上(画像座標(w,0)) ⇔ 地理座標(163.21, 230.98)
- 画像右下(画像座標(w,h)) ⇔ 地理座標(165.43, 191.09)
- 画像左下(画像座標(0,h)) ⇔ 地理座標(126.54, 194.32)
というように画像四隅の地理座標が分かれば貼り付けれらそうですね。もちろん地理座標は至極適当です。また、この4点の対応は別に画像四隅である必要はなく、画像に明瞭に写ったものと、その地理座標を使用しても構いません。
このような、画像上のある画素と対応する地理座標をGCP(Ground Control Point)と呼び、画像に埋め込んでおくことで画像が地図上のどの範囲に対応するかをあらわすことができます。
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ということで、前後編に分けてワールドファイルとGCPについてのお話をお届けしました。GCPの方が対応付けの方法としては直観的で掴みやすいと思うのですが、ここを入り口として、話題は測量とは切っても切れない最小二乗法うんぬんへ。
とういあたりで、つづきはまた今度。
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※1 こちらを参照。透視投影変換の変換行列については、機会があればデジタルステレオ図化機の仕組みと併せて取り上げたいと思います。透視投影変換を行うと、撮影の基準として考える平面と航空写真画像を平行化することができます。