さて、間違い探しです。
下の2枚の写真で違うところは?
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「そんなこと言われてもよくよく見れば全体が微妙に違うじゃないか!」と、思われた方が正解です。すいません。
今日はこの写真を使って”ステレオ空中写真測量”について少し紹介したいと思います。
さてさて、全体が微妙に違うとはいえ、上の2枚の写真によく目立つ違いがないかと観察してみると右下に目がいきませんか?そうです、川沿いの道路を走っている車の位置が大きく動いています。ということは写真を撮った時間が少しだけずれていますね。
実はこの写真は、上空1000m付近を飛ぶ航空機から数秒のシャッター間隔で連続撮影した空中写真です(正確には、さらに同じ場所が写るようトリミングしています)。飛行機が飛んで動いている分撮影時のカメラの場所が違い、1枚目の写真と比較すると2枚目の写真は右の方から撮影しています。1枚目を左から、2枚目を右から撮った写真ということで3D対応のディスプレイに同時に表示すると、両眼視差という人の奥行き知覚によりものの見事に飛び出て見えます。
数年前映画「アバター」で大きく取り上げられたこともあり、3D映像を見たことあるよという方もいると思います。まあ、まんまそれです。”ステレオ空中写真測量”というのはひどく乱暴に説明するとその3D映像を見ながら測量(地形図作り)を行う手法なのです。
それでは「3D映像」のようなものを使ってどんな仕組みで正確な座標を測るのか?という詳しい話はまたの機会に譲ることにして、無理やりですが2D、つまり普通のディスプレイでなるべく3Dっぽく空中写真を見てみましょう。運動視差という奥行き知覚の方法を利用します。
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下は、初めの2枚の写真を交互に切り替えて表示するGIFアニメーションです(クリックすると表示されます)。だまされたと思ってぼやーっと見てみて下さい。ただし、乗り物酔いしやすい方は注意。結構な速さで切り替えています。
どうでしょう?
なんだか3Dと言われればそんなような。。。
となりましたか?
実際のステレオ空中写真測量では技術者は「デジタルステレオ図化機」と呼ばれるシステムを用い、1枚目の写真を左目だけで、2枚目の写真を右目だけで見ることで両眼視差による立体視を行い測量を行います。このデジタルステレオ図化機を利用すると「正確な座標を測る」ことができるのですが、続きはまた今度。
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(おまけ – クリックすると表示されます)
先ほどのアニメーションGIFで「なんだか右下の川がへこんで見えるなあ」と感じたあなた、それにこのアニメーションGIFで「赤いマークがビルの角にくっついてるなあ」と感じたあなたはステレオ空中写真測量の才能があるかも!?