測量士試験の過去問題を解くシリーズ第8回です。
今回も計算が必要な問題を、ということでH27年度午前No.18の問題を解いてみましょう。
[H27-午前No.19 問題] 画面距離12cm,画面の大きさ14,000画素×7,500,撮像面での素子寸法12μmのデジタル航空カメラを用いて,海面からの撮影高度3,000mで鉛直空中写真撮影を行った。この写真に写っている橋の長さを数値写真地図上で計測すると1,750画素であった。 この橋を縮尺1/2500の地図にプロットしたとき,地図上での長さは幾らか。最も近いものを次の中から選べ。 ただし,この橋は写真の短辺に平行に写っており,標高600mの地点に水平に架けられているものとする。 1. 168mm 2. 175mm 3. 210mm 4. 420mm 5. 720mm
第6回で解説したNo.18と似た問題です。
この橋を縮尺1/2500の地図にプロットしたとき,地図上での長さは幾らか。
という形で選択肢が示されていますが、各選択肢を2500倍して
1. 420m 2. 437.5m 3. 525m 4. 1050m 5. 1800m のうち、この橋の長さはどれか?
と問題を読み替えても良いかもしれません。問題がシンプルになります。
さて、この問題もまず図を描いてみましょう。海面=標高0mにだけ気を付ければ
こうなります。画素についてはカメラの撮像面側に情報をまとめた方が分かり易いので、整理した形でも書いてみると次のようになります。
上図の点線部分の長さ(m)が分かれば?mも分かりそうです。素子寸法12μmからカメラの撮像面短辺(7500画素)の長さは
7500 × 0.000012 (m)=0.09(m)
です。
0.09 : x = 0.12 : 2400 からx=1800
が上図の点線部分の長さ(m)、また、1750画素に対応するカメラの撮像面の長さは1750 × 0.000012 (m)=0.021(m)なので、
0.09 : 1800 = 0.021: xからx=420
とすれば?mが420mと判明します。初めに各選択肢を2500倍していればこのまま、していなければ420×1000(mm) ÷ 2500 = 168mmから、正答は1となります。
…
第6回で解説したNo.18よりは解きやすい問題だったのではないでしょうか。こちらも図示できれば計算は簡単なので、類題が出たときは確実に得点にしましょう。
というところで、続きはまた今度。