測量士試験の過去問題を解くシリーズ、令和2年度試験版の第1回です。
以下、「国土地理院」サイトの 令和2年11月22日の問題を引用して解説して行きます。
〔No.4〕
図4に示すような三次元直交座標系において,ある点(x,y,z)をZ軸の周りに図4で示す方向にθ回転させたときの点(x’,y’,z’)の座標は,次の式4で表される。
点P(2.000,-1.000,3.000)をZ軸周りに図4で示す方向に60°回転させたとき,移動後の点P’の座標は,式4より,点P’(1.866,1.232,3.000)となる。この点P’(1.866,1.232,3.000)を,さらにX軸の周りに図4で示す方向に30°回転させたとき,移動後の点P”の座標は幾らか。Z軸周りの回転を表す式4を参考に,X軸周りの回転を表す式を立てて計算し,最も近いものの組合せを次の中から選べ。なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
正解は4です。下記の2ステップで求めます。
ステップ1
X軸周りの回転を表す式を求めます。
ステップ2
ステップ1で求めた式を使用して回転後の座標を求めます。
ステップ1
X軸周りの回転を表す式を求めます。 まずは考えやすくするために、図4のX軸を上に向くように回転させます。
与えられた式4は図を変換させる前のZ軸を反時計回りに回転させた式であり、変換後のX軸を反時計回りに回転させた式は次のように変換できます。
ステップ2
ステップ1で求めた式を使用して回転後の座標を求めます。 点P’(1.866,1.232,3.000)をX軸周り30°回転させた点P”を求める式は
となります。計算すると、
y” = cos30°× 1.232 + -sin30°× 3.000 + 0 × 1.866
≒ -0.433
z” = sin30°× 1.232 + cos30°× 3.000 + 0 × 1.866
≒ 3.214
x” = 0 × 1.232 + 0 × 3.000 + 1 × 1.866
≒ 1.866
よって点P’(1.866,1.232,3.000)をX軸周り30°回転させた点P”は4の(1.866、-0.433、3.214)になります。