測量士試験の過去問題を解くシリーズ、H29年度試験版の第6回です。
今回はH29年度午前No.10の問題を解いていきます。
[H29-午前No.10 問題] 既知点A 及び新点B においてGNSS 測量を行い, 既知点A から新点B までの距離8,000.00 m,新点B の楕円体高65.40 m の値を得た。 このとき,新点B の標高は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。 ただし,既知点A の標高は25.00 m,楕円体高は64.00 m であり,ジオイドは楕円体面に対し,既知点A から新点B の方向へ, 距離1,000.00 m 当たり− 0.03 m の一様な傾斜をしているものとする。 また,距離は,楕円体面上の距離とする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 1. 26.12 m 2. 26.16 m 3. 26.40 m 4. 26.43 m 5. 26.64 m
正答は5です。
解説していきます。
まず、ジオイドと楕円体と標高の関係は、
楕円体面から地表までの高さを楕円体高、ジオイド面から地表までの高さをジオイド高として、
標高 = 楕円体高 – ジオイド高 となります。
点Aのジオイド高をAg、点Bの標高をBhとおいて関係式を書くと、
となります。これらを連立方程式として、Bhを求めていきます。
➁を整理します。
続いて➀を整理します。
となり、正答は26.64mの5と求められます。
計算内容が簡単なため、かえって不安になるような内容ですが、2点間のジオイドと楕円体面の傾斜も一様なのでこれで十分です。
注意点は傾斜分の高低差を加味する際の符号ミスくらいではないかと思われます。
この問題につまづいた方は、おそらくジオイドや楕円体といった言葉の表すものがイメージできなかったのではないでしょうか。
まずはそちらを確認してみてください。
No.10の解説は以上です。