GISの構築時の手間がかかる3点

今回は小規模なGISシステムの構築時に
色々と手間取る3点について
説明しようと思います。

1、データ容量周りの問題
まずデータ容量に関する問題が発生します。
自分でサーバ・PC等にデータを設置する場合
その置き場所を確保する必要があります。
特に航空写真が含まれる場合は
専用の置き場所を検討することになる場合が多くなります。
ユーザがデータ入力できるタイプのシステムであれば、
どのくらいの期間運用する予定で
どのくらいの入力量まで耐えられるのかは、
そのあとシステム増強を検討するにしても
一度見積もっておくべきでしょう。

また、データを設置する際に
データをコピーする時間が馬鹿になりません。
特に表示を軽くするためのデータキャッシュを持つ場合
そのキャッシュのファイル数が莫大すぎて
そのままコピーするコストが馬鹿にならないので
圧縮→コピー→解凍の方が時間短縮になる場合もあります。
ネットワーク越しにデータコピーを行う場合は
ネットワークに負荷がかかっても問題がないかと
逆に別要因でネットワークに負荷がかかってないかを
確認してから行うようにしましょう。

ここからは自前でデータ設置場所を準備せず
別の場所のデータ参照する場合を含めた話になりますが
データ量が多いため、通信コストを考慮しないと
「へんじがない」システムを
構築してしまうことになりかねません。

・自前のデータ置き場の場合は
 ストレージの速度が要件に見合っているか
・ストレージからGISまでの通信速度は十分か
・データ参照する場合に通信速度が十分か
・WEBGISの場合はサーバから
 インターネットにつながる経路にネックとなる部分がないか

といった観点でシステムのソフトウェア部分以外の
速度的な問題を検討することも重要です。

2、設定周りの問題
GISシステムでは
データの置場・プログラムの置場・DB接続関連などについて
個々のシステムで物理構成等が異なることの方が多いため
別の場所にシステムを設置する場合に
ローカルパス・URL・パスワード等を
細かく設定する必要があります。
一つ二つのファイルを変更するだけで済む場合の方が
稀なため、GREP検索等の地道な手段で
変更点をあぶりだす必要があることもざらです。
また一括置換ができればいいのですが
例えばQGIS用のqgsファイルやMapServer用のmapファイル等では
データの置場が物理的に分割されているなどの理由で
一括置換が使えない場合もよくあります。

バージョン管理のシステムを利用したりしつつ
作業ログを必ず残すようにして地道に設定を整えていきましょう。

3、ファイルのアクセス権限周りの問題
これはGISに限らないのですが
システムのデータを本番環境にコピーする際
コピーした後のデータのアクセス権限の確認を忘れがちです。
セキュリティ権限、共有等の設定を新環境に合わせ設定しましょう。

またいわゆるシステム権限(GISのプロセスが利用する権限)
について、権限の解放がうまくいってなかったり、
システム権限で新規作成したファイルが
別権限で編集できないといった問題は発生しがちですので
適宜調整してスムーズなシステム運用にこぎつけましょう。

以上、システム構築時の手間取りがちな3点でした。
設置そのものでトラブルとなリがちな点もあれば
設置時に考慮しておかないと後々トラブルになる点も
ありますので、参考にしていただければ幸いです。

ではでは。

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