測量士試験の過去問題を解くシリーズH28年度第9回目です。
今回はH28年度午前No.17の問題を解いていきます。
[H28-午前No.17 問題] 標高が100mから600mまでの範囲にある土地のデジタル航空カメラを用いた空中写真撮影において,撮影範囲全体にわたって隣接するコースの数値写真との重複度の最小が30%となるように計画した。撮影基準面の標高を100mとすると,隣接コースの数値写真との重複度は最大で何%か。最も近いものを次の中から選べ。 ただし,使用するデジタル航空カメラの画面距離は7cm,撮像面での素子寸法は6μm,画面の大きさは12000画素×8000画素とする。 また,数値写真は等高度で撮影する鉛直写真とし,画面の短辺は撮影基線と並行,撮影基準面での地上画素寸法は15cmとする。 1. 38% 2. 45% 3. 50% 4. 54% 5. 60%
この問題は、前回(H28年度午前No.16)と同じように、空中写真撮影における特定の要素の値を、問題で与えられた他の要素の値や式から導出する計算問題です。今回求める値は、隣接コースとの重複(サイドラップ)の最大範囲(割合)です。
まず、模式図を作成します。
(前回記事(H28測量士試験過去問題解説 第8回】午前No.16)をご覧の方は、図が非常に似通っており紛らわしいですが、視点が異なるとお考え下さい。)
では、計算していきます。
まず、Hmaxを求めます。提示されている値と、三角形の相似から、
と置くことができます。
これをHmaxについて解くと、
また、これを用いてHminを求めます。
続いて、Hmax・Hminと三角形の相似から、Smax・Sminを求めます。
最後に、隣接コースとの重複の最大範囲の割合を求めると、
となり、正答は3となります。
こちらの問題は計算の内容自体は中学レベルの公式で解くことができ、与えられている数値もシンプルです。
No.16と同様に、用語の確認をしていれば、難しい問題ではありません。ケアレスミスには気を付けて下さい。
No.17の解説は以上です。