【R3測量士試験過去問題解説第2回】午前No.5

測量士試験の過去問題を解くシリーズ、令和2年度試験版の第2回です。

以下、「国土地理院」サイトの 令和2年11月22日の問題を引用して解説して行きます。

〔No.5〕
ある試験において,受験者の点数の平均が60点,標準偏差が10点の結果を得た。受験者の点数の分布が,近似的に平均μ,標準偏差σの正規分布に従うと仮定した場合,80点以上90点以下の人の割合は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。ただし,正規分布の性質から,μ±σの範囲に入る確率は68.3%,μ±2σの範囲に入る確率は95.5%,μ± 3σの範囲に入る確率は99.7%とする。なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

1. 0.3%
2. 2.1%
3. 2.3%
4. 4.2%
5. 4.5%

正解は2です。下記の2ステップで求めます。

ステップ1
与えられた情報を図にまとめます。

ステップ2
点数が80点以上90点以下の人の割合を求めます。

ステップ1
与えられた情報を図にまとめます。問題で与えられた情報を正規分布のグラフに整理すると、このようになります。

ステップ2
点数が80点以上90点以下の人の割合を求めます。ステップ1の図を確認すると点数が30点以上90点以下の人の割合は99.7%、40点以上80点以下の人の割合は95.5%であることがわかります。このことから点数が30点以上40点以下の人の割合と80点以上90点以下の人の割合の合計は

99.7 – 95.5 = 4.2

4.2%の中で点数が80点以上90点以下の人の割合は半分なので

4.2÷2=2.1

よって点数が80点以上90点以下の人の割合は2の2.1%になります。

【R3測量士試験過去問題解説 第1回】 午前No.4

測量士試験の過去問題を解くシリーズ、令和2年度試験版の第1回です。

以下、「国土地理院」サイトの 令和2年11月22日の問題を引用して解説して行きます。

〔No.4〕  
図4に示すような三次元直交座標系において,ある点(x,y,z)をZ軸の周りに図4で示す方向にθ回転させたときの点(x’,y’,z’)の座標は,次の式4で表される。

点P(2.000,-1.000,3.000)をZ軸周りに図4で示す方向に60°回転させたとき,移動後の点P’の座標は,式4より,点P’(1.866,1.232,3.000)となる。この点P’(1.866,1.232,3.000)を,さらにX軸の周りに図4で示す方向に30°回転させたとき,移動後の点P”の座標は幾らか。Z軸周りの回転を表す式4を参考に,X軸周りの回転を表す式を立てて計算し,最も近いものの組合せを次の中から選べ。なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

正解は4です。下記の2ステップで求めます。

ステップ1
X軸周りの回転を表す式を求めます。

ステップ2
ステップ1で求めた式を使用して回転後の座標を求めます。

ステップ1
X軸周りの回転を表す式を求めます。 まずは考えやすくするために、図4のX軸を上に向くように回転させます。

与えられた式4は図を変換させる前のZ軸を反時計回りに回転させた式であり、変換後のX軸を反時計回りに回転させた式は次のように変換できます。

ステップ2
ステップ1で求めた式を使用して回転後の座標を求めます。 点P’(1.866,1.232,3.000)をX軸周り30°回転させた点P”を求める式は

となります。計算すると、

y” = cos30°× 1.232 +  -sin30°× 3.000 +  0 × 1.866
 ≒ -0.433
z” = sin30°× 1.232 +   cos30°× 3.000 +  0 × 1.866
 ≒ 3.214
x” =  0 × 1.232 +  0 × 3.000 + 1 × 1.866
 ≒ 1.866

よって点P’(1.866,1.232,3.000)をX軸周り30°回転させた点P”は4の(1.866、-0.433、3.214)になります。