オープンソースWebGISを構築してみよう その3

2回目から時間が空いてしまいました。
前回はms4wに地理院地図を参照表示しましたが、
今回はそもそも地理院地図って使う際に
許可が要ったりしないのかをお伝えしようと思います。

国土地理院の地理院地図のヘルプページは
こちらです。

利用規約のリンクも同ページにありますので
正確な表現はそちらを参照ください。

2014/11現在の内容を要約すると

・基本的に自由に利用できるよ。
でも地図の出展は明示してね!

・地図やコンテンツごとに
細かな規則がある場合もあるので確認してね!

という内容です。

さらに地理院地図をOpenlayers越しに利用する場合の
地図毎の詳しい規約はこちらになります。
今回利用しているのは標準地図という地図コンテンツですが、
規約を見る限りWebで参照利用する場合には
出展の明示だけすれば良いみたいです。
ただし利用規約にある通り、
地図コンテンツをダウンロードして複製・加工する場合には
法律に定められた承認申請を行う必要があります。

ここが地理院地図の参照利用の
メリット・デメリットの分岐点となります。

まずわかりやすいデメリットを示します。

・インターネット回線がないと使えない。

当たり前のようですが、
インターネットに結びついてない
LAN環境やスタンドアローンでは利用できません。

・改変利用ができない。

用途によっては表現している情報量が多すぎる場合
(例、地図上の文字情報)があり、
その場合に、
ある情報だけ消して、
残りは残すという改変はできません。
逆に情報の追加は容易です。

・地理院サーバの運用環境に依存する。

地理院サーバのサーバスペック・アクセス量
・回線速度・運用の安定度に依存しています。
これらの面をユーザ側では改善することができません。

逆に利用メリットは以下のようになります。
・無料で容易に別の地図情報と重ね合わせて利用可能

規約を確認した通り、無料で自由に利用可能です。

・地図データの置き場所を確保する必要がない。

航空写真等を含めると日本全国でTBオーダー以上になる
データファイルの置き場所と
それ相応のアクセス速度を実現する
ハードウェアの管理から解放されるのは大きなメリットです。

これを踏まえて地理院地図を使いたくない・使えない場合を考えると
大雑把には下記3点ではないでしょうか。

・そもそも地理院サーバへの接続が不可能なLAN環境内の場合。
・地理院地図の用意されている地図では帯に短し襷に長しで
背景として必要な情報のみを表現できない場合。
・地理院サーバの障害を許容できない場合。

3点目は業務GISの専門家しか遭遇しない事例なので例外とします。
2点目はGoogleMapのような別の地図提供サービスで
代替がきく場合がありますが1点目の場合はそうもいきません。

その場合LAN環境内に自前で準備した地図データを設置し、
閲覧する仕組みを構築する必要があります。

この際の地図データは国土地理院に承認申請して
国土地理院地図を複製・加工利用する方法もあれば、
業者から購入したり、
別の地図データの提供元から提供を受けることも可能です。

次回はこのような形で地図データを自前で管理し、
GISで表示する手法を記していこうと思います。

 

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