【H28測量士試験過去問題解説 第10回】午前No.25

測量士試験の過去問題を解くシリーズH28年度第10回目です。


今回はH28年度午前No.25の問題を解いていきます。

[H28-午前No.25 問題]

図25で示すように,現在使用している道路(以下「現道路」という。)を改良して,新しい道路(以下「新道路」という。)PQを建設することとなった。
新道路は,基本型クロソイド(対照型)PQからなり,主接戦は現道路の中心線と一致し,交点IPは現道路交差点の中心にある。このとき,新道路PQの線路長は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
ただし,円曲線部分の曲線半径R = 160m,交角I = 60°,クロソイドパラメータA = 100m,円周率π = 3.142とする。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数票を使用すること。

sokuryoushi_shiken_H28_25zu

1. 168m
2. 188m
3. 212m
4. 230m
5. 293m

この問題では、クロソイドの公式を使って図25中の新道路の長さを求めます。
図25及び問題文中の値を参考に図を描くと次のようになります。
screen_25

今回長さを求める新道路は対称基本型クロソイドであるため、図中の2つLの長さは同一です。
また、図には記載しておりませんが、問題文より、
クロソイドパラメータsokuryoushi_shiken_H28_25shiki
円周率sokuryoushi_shiken_H28_25shiki2
となっております。
まず、クロソイドの公式sokuryoushi_shiken_H28_25shiki3より、
sokuryoushi_shiken_H28_25shiki4

続いて、クロソイドの公式sokuryoushi_shiken_H28_25shiki5より、
sokuryoushi_shiken_H28_25shiki6

ラジアンで求められるので、これを角度(degree)に変換すると、
sokuryoushi_shiken_H28_25shiki7

これを用いて、CLを求めます。CLは半径R、中心核Θの円弧なので、
sokuryoushi_shiken_H28_25shiki8

sokuryoushi_shiken_H28_25shiki9

以上より、新道路の長さは、
sokuryoushi_shiken_H28_25shiki10

となり、正答は4になります。

この記事をご覧の方々の中には、クロソイド曲線について馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、今回の問題は、L(曲線長)・R(曲線半径)・A(クロソイドパラメータ)・τ(接線角)の4つ値の関係式と、図に起こした場合L・R・τが何を示しているか(図中のどこに当てはまるか)がわかれば計算自体は難しくない内容です。
試験用の勉強としては、実際に必要な公式を暗記して過去問を解いてみるのが馴染みやすいのではないでしょうか。

No.25の解説は以上です。

「【H28測量士試験過去問題解説 第10回】午前No.25」への2件のフィードバック

  1. 質問失礼します
    上のCLを求める式のΘが60-2γ(deg)となっていますがこれはどうやって出てきたのでしょうか?
    答えていただけるとありがたいです。

    1. コメントありがとうございます。
      ご質問承りました。

      こちらのθを求めている式も、クロソイドの公式の一つであり、
      円曲線の中心角=交角-2*τ
      から求めております。

      クロソイドの公式は数が多く、調べてもみつかりにくいですが、
      日本測量協会が出版している受験テキストなどにまとめられておりますので、
      必要であればご確認ください。
      導出については、より専門的な内容(道路工学など)になりますので、
      測量士試験の対策の範囲からは逸脱してきます。
      必要な公式を調べて暗記までに留めておくのをお勧めいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。